「もう学校に行きたくない」
カナダ出身の教師、キノタ・ブレイスウェイトさんはある朝、神奈川県内の小学2年だった娘の美桜(みお)さんに打ち明けられた。肌の色が濃いことをからかわれていたという。
娘を救うだけでは
学校に電話をすると、校長はすぐに対応し、ブレイスウェイトさんが教室に出向いて子どもたちに話すことも認めてくれた。「担任も良い先生だったけれど、人種差別をどう扱っていいかは分からなかったのだと思う」
ブレイスウェイトさんは教室で、カナダの黒人の歴史について話した。授業の後、娘をからかった男児が来て、母親に教わった英語で謝り、「またいつでも学校に来てください」と言った。
「日本は長く同質的な社会だったし、私は日本の文化を変えるつもりもない。ただ、異なる人がいても傷つけてほしくない。それだけです」
娘は救えたが、それだけでは満足できなかった。ブレイスウェイトさんは、日本中からいじめをなくしたいと思った。
娘の経験を元に「ミオ・ザ・…